
フローレンス法の適応疾患
フローレンス法は、以下のような疾患に適応されます。
適応となる疾患
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脊柱管狭窄症
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椎間関節障害(椎間関節症)
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軽度な変性すべり症
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椎間板性疼痛のある椎間板ヘルニア
※フローレンス法が適応しているかどうかの判断は、MRI検査や診察などでされています。

脊柱管狭窄症とすべり症の特徴的な症状は、間欠性跛行(歩くときは足に痛みやしびれを感じて歩けなくなり、少し休むと楽になりまた歩けるが、しばらくすると再び痛くなる、という状態)があります。
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脊柱管狭窄症
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腰部のすべり症
脊柱管狭窄症は背骨の中にある神経の通り道(=脊柱管)が狭くなった状態をいいます。すべり症は腰の部分で椎骨が正常な位置からずれた状態をいいます。
脊柱管狭窄症とすべり症は、2004年に発表された日本脊椎脊髄病学会の脊椎手術調査報告によると、椎間板ヘルニアと共に一番多く発症する疾患です。*1
脊柱管狭窄症は特に、50歳以上の方に多く、70歳以上の高齢者の2人に1人が罹患する可能性のある疾患とされています。*2
*1 参照元:野原裕他「日本脊椎脊髄病学会脊椎手術調査報告」『日本脊椎脊髄病学会雑誌』第15巻2号、2004年。
*2 参照元:山崎健「腰部脊柱管狭窄症診療戦略 腰部脊柱管狭窄症の疫学調査とQOL調査—地方都市における一般住民の有病率と健康関連QOL調査—」『Monthly Book Orthopaedics』第23号、2010年。
脊柱管狭窄症などに対して外科的手術(椎弓切除術や脊椎固定術)が行われていますが、手術では骨を削ったり靭帯を切除したりして、周辺の組織の損傷などのリスクが高く、再発率も高いです。2年以内に8%の症例で再手術、10年以内に23%の症例で再手術が必要となると報告されています。*3
*3 参照元:James N. Weinstein, et al. Surgical versus Nonsurgical Therapy for Lumbar Spinal Stenosis. The New-England Medical Review and Journal, 358(8), 2008. Steven J Atlas, et al. Long-Term Outcomes of Surgical and Nonsurgical Management of Lumbar Spinal Stenosis: 8 to 10 Year Results from the Maine Lumbar Spine Study. Spine, 30(8), 2005.