
フローレンス法に関する
Q&A
- Q フローレンス法とはどのような施術ですか?
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A
腰椎の棘突起間に経皮的にスペーサーを挿入して狭くなっている脊柱管を広げる低侵襲治療です。
施術は後側方から行われます。スペーサーを挿入することで、脊柱管が広がり、神経の圧迫が取り除かれて、痛みやしびれなどの症状の改善が期待できます。
フローレンス法は、従来の外科的手術と違って、骨を削ったり靭帯等を切除したりしません。靭帯が温存するため、スペーサーのずれや背骨の不安定さが軽減されます。
- Q どのような麻酔が行われますか?
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A
フローレンス法は局所麻酔+静脈麻酔にて行われます。全身麻酔を必要としない治療ですので、患者の体に負担が少なく、全身麻酔による合併症も回避できます。
- Q 治療の際、必要な入院日数は何日くらいですか?
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A
日帰り治療ですので、入院は必要ありません。治療後は2~3時間程安静にして、治療当日に歩いて帰宅いただけます。
医療施設によりますが、診断後その日の内に治療を受ける場合と、初回診察にて診断のみを受けて後日に治療に来ていただく場合があります。
- Q フローレンス法の治療後、いつから回復が期待できますか?
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A
症例によりますが、治療後すぐに下肢の感覚異常が改善した場合があります。治療後数日間は腰痛が強くなる場合がありますが、これはスペーサーを挿入することにより狭くなっていた脊柱管が広がり、周囲の組織がけん引されるからだと考えられます。徐々に治まってきますが、腰痛に関しては治療後に鎮痛薬の服用が必要な場合があります。
- Q フローレンス法はどのような効果がありますか?
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A
論文*によると、フローレンス法を受けた患者258例中257例(99.6%)は症状改善が見られました。
疼痛の改善
スペーサー挿入前のVASスコアは平均「8」でしたが、治療6ヵ月後は平均「3」まで減少しました。
間欠性跛行の改善
スペーサー挿入前のZCQスコアは平均「58」でしたが、治療6ヵ月後は平均「27」まで減少しました。
*Stefano Marcia, et al. Feasibility, safety, and efficacy of a new percutaneous interspinous device: a retrospective multicenter study. Neuroradiology. Vol.66, 2024.
- Q フローレンス法の治療後に外科手術を受けたケースはありますか?
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A
論文では、治療後に外科的手術を行ったケースは報告されていません。
- Q 外科手術を受けた後、フローレンス法の治療はできますか?
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A
論文*では、同部位で以前手術が行われたことがある場合は治療適応外とされています。フローレンス法専門医とご相談ください。
*Stefano Marcia, et al. Feasibility, safety, and efficacy of a new percutaneous interspinous device: a retrospective multicenter study. Neuroradiology. Vol.66, 2024.
- Q フローレンス法を受けた後に再発することはありますか?
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A
今までの研究では、フローレンス法後は再発があったケースは報告されていません。
- Q 治療後は、いつ頃から運動を再開できますか?
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A
個人差、また運動の種類によりますが、治療1ヶ月後から運動を再開できます。(従来の外科的手術の場合は、術後約3ヶ月で運動が行えます。)
- Q 外科的手術は筋肉や靭帯、神経を損傷するリスクがありますが、フローレンス法はこのようなリスクを軽減させることができますか?
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A
フローレンス法は骨を削らず靭帯などを切除せずに経皮的に行われる治療ですので、靭帯や神経を損傷するリスクは少ないです。
- Q フローレンス法は保険適応ですか?
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A
フローレンス法を受けられる国や医療施設により異なる場合があります。直接医療施設へお問い合わせください。
- Q フローレンス法はどのような疾患に適応ですか?
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A
フローレンス法は脊柱管狭窄症、椎間板性疼痛のある椎間板ヘルニア、椎間関節症、軽度なすべり症、などに適応されます。ただし、脊柱管狭窄症の原因が椎間板や骨による影響が大きい場合は治療できない可能性があります。
- Q フローレンス法はデメリットがありますか?
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A
脊柱管狭窄症の原因によって治療効果が出にくい場合があります。治療後にスペーサーの入れ替えや除去が必要な場合もあります。
- Q フローレンス法の後は、MRI検査に制限はありますか?
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A
いいえ、チタン製スペーサーの挿入後、MRI検査におけるリスクはありません。
- Q フローレンス法を受けるためにはMRIの他に必要な検査はありますか?
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A
背骨の状態を確認するために、レントゲンとMRI検査が必要です。それに加えて、医療施設によっては、骨密度検査、採血検査が必須となっています。